SSH RSCSaiseikai Shiga Hospital Robotic Surgery Center
ロボット手術センター

 

 

 

 

 

 

 

直腸がんとは

大腸は 1.5~2mほどの長さの臓器で、結腸と直腸に分けられます。日本人では直腸がんの割合が比較的高く、大腸がんの30~40%を占めています。早期がんの場合は無症状のことも多いのですが、検診の便潜血等で発見されることもあります。進行がんになると便に血液が混じったり、便秘をはじめとする便通異常、腹痛などの症状が出現します。さらにがんが進行するとリンパ節や肝臓、肺などに転移することもあります。

 

早期がんであれば内視鏡治療で切除することができますが、進行がんでは原則として手術治療の適応となります。

 

 

 

 

 

 

 

直腸がんに対する手術

これまで主流であった開腹手術に代わり、近年では腹腔鏡下手術が普及しています。お腹に穴を開けてカメラ(腹腔鏡)や細長い鉗子を挿入して行う腹腔鏡下手術は、傷口が小さく痛みが少ないこと、術後の回復が早いことなどがメリットとして挙げられますが、一方で、手技の特殊性から熟練したテクニックが求められます。

 

大腸の中でも直腸は狭い骨盤内に位置し周囲を重要な臓器や神経に囲まれていることから、特に直腸がんに対する腹腔鏡下手術は技術的に難しいとされており、腹腔鏡下手術の有効性と安全性が十分に確立されていないのが現状です。そのような腹腔鏡下手術の課題を克服すべく期待されるのが手術支援ロボットです。

 

 

 

 

 

ロボット支援下直腸がん手術とは

ロボット支援下手術は通常の腹腔鏡下手術をロボット支援下に行うもので、技術的に難しいとされる腹腔鏡下手術の欠点を補い、その利点をさらに向上させることができるものと考えられています。

 

ロボット支援下手術の特徴である鮮明な3D画像や自由度の高い鉗子は、直腸がん手術では特に有効であり、開腹手術や腹腔鏡下手術に比べてより正確で安全な手術手技を行うことが可能です。

 

直腸は狭くて深い骨盤の中で膀胱や膣、子宮、前立腺などの重要臓器に取り囲まれており、周囲には性機能や排尿機能をつかさどる自律神経という神経があります。ロボット手術ではこれらの神経をより確実に温存することで、直腸術後合併症の一つである性機能障害・排尿障害の減少が期待できます。また、狭い骨盤深部での手術操作が可能となることにより、従来よりも肛門に近い下部の直腸がんでも肛門を温存できる可能性が高くなります。

 

ロボット支援下で行う直腸がん手術では、傷が小さく痛みが少ない、出血量が少ない、術後の回復が早いといった従来の腹腔鏡手術のメリットに加えて、ロボットの特性を最大限に活かすことで、後遺症が少なく体に優しい手術を行うことができると期待されています。

 

ただし、ロボット手術にも欠点があります。ロボットを介しての手術であることから、術者は鉗子で触った感触が分からず(触覚の欠如)、予期せぬ臓器損傷に注意が必要です。特に、腹部大動脈瘤や総腸骨動脈瘤のある方は、ロボット鉗子での圧排に伴う損傷の危険があるためロボット手術の適応外としています。

 

また、腹腔内の癒着が高度な症例などでは従来の開腹手術の方が安全である可能性があります。

 

 

 

 

 

当院では・・・

  1. 当院は国の定める基準を満たした認定施設であるため、ロボット支援下直腸がん手術を保険診療として行うことが可能であり、ロボット手術にかかる費用は通常の腹腔鏡下手術と同様となります。

  2. 実際のロボット支援下手術の執刀は、専門のトレーニングを受け、術者認定資格を取得した医師が行います。

詳細は各担当医までお尋ねください。

 

 

 

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