ロボット手術センター長
兼前立腺局所療法センター長
鴨井 和実
2017年7月に、当院に手術支援ロボット「ダビンチ」が導入されてから約5年が経過し、各科での手術件数も順調に増加してきました。(”実績”はコチラをご確認ください)
これまで安全にロボット手術が施行できたのは、麻酔科を含む各科の協力や、看護師、臨床工学技士を含むチーム医療を推進してきた成果と考えています。
さらに2022年2月より最新のダビンチであるXiが導入されました。
この機器は従来のSiと比較して手術器具を動かすアームが細いために他のアームとの干渉(ぶつかること)が少なく、手術器具を動かせる範囲が広がったことにより、これまでよりも広い範囲の手術ができるようになりました。
また、腸を安全に切断するステイプラーという器具をダビンチの自由に動かせる手で用いることができるようになり、いままで難しかった腸の手術が簡単になりました。
この手技は胃がんや大腸がんで用いられるとともに、泌尿器科領域でも膀胱を摘出した後に行う腸による新しい膀胱の作成に用いられるようになりました。
これらの手術では、従来腸を一旦体の外に出して行っていた手技がすべて体のなかでできるようになり、術後の回復が早くなるという利点があります。
さらに、本年の4月からは診療報酬改定によりさらにロボット手術の保険適応が増えました。
泌尿器科では従来腹腔鏡で行われていた腎臓の摘出手術や、腎臓と尿管を両方摘出する手術がロボット手術で行えるようになりました。
これらロボット手術の適応拡大によって、安全かつ確実で回復の早い治療をより多くの患者さんにお届けできるようになります。